2026年1月9日、神戸市内で開催された「神戸隣接市・町長懇話会」において、自治体が抱える深刻な課題である「技術職の確保」について、驚きの報告がありました。
会議の席上、明石市の丸谷聡子市長が「今年度は技術職を19人採用した」と発表したところ、出席した他の市町長からは「なぜそんなに採用できたのか」と驚きの声が上がりました。現在、自治体における土木・建築・化学などの技術職採用は、非常に厳しい状況にあります。少子化による若手人材の奪い合いに加え、民間企業との競争や、好待遇の大都市へ人材が流れる傾向が強まっているからです。
神戸市周辺でも、神戸市の試験に合格すると他の自治体を辞退するケースが多い中、明石市のこの数字は極めて異例といえます。
明石市が実践する「先手」「愛着」の戦略
明石市がこれほどの人材を確保できた背景には、独自の採用・育成戦略があります。
- 早期アプローチ: 卒業前年だけでなく、大学3年生や大学院1年生を対象とした採用試験を柔軟に実施しています。
- 市長自らの「お話し会」: 内定者に対し、技術職員による勉強会を実施するだけでなく、**市長自らが直接対話する「お話し会」**を設けています。
- ミスマッチの解消: 事前に課題を共有し、成長のイメージを提示することで、市への愛着を高めています。事実、丸谷市長と面談した内定者は今年度全員が明石市に就職したといいます。
「自治体間連携」で難局を乗り切る
今後さらに採用難が加速することを見越し、会議では「技術職の採用や育成での連携」が議題に上がりました。
神戸市の久元喜造市長は、現場で働く「やりがい」を共同で発信することや、「異動先が他の自治体であってもいい」という一歩踏み込んだキャリア形成の可能性を提案しました。
今後は個別の自治体で競い合うのではなく、近隣自治体が手を取り合って技術者を育て、守っていく時代へと変化していくのかもしれません。


